私は人体をモチーフに、シュールかつリアルな世界観を立体造形で表現しています。
日常に潜むインスピレーションの種を、「子供の心」で自由に想像し、思わず触れたくなるような実在感を、「特殊造形」の技術によって形にしています。
異様さの中に潜むユーモアは、鑑賞者との距離を縮めるための、私なりのコミュニケーション手段でもあります。

現代社会は、メタバースやシンギュラリティ、生命倫理の問いなど、“超・人工的な世界”へと進みつつあります。
それは人類の意志の産物ですが、その一方で、私たち自身は依然として「命ある自然物」であるという矛盾を抱えています。
人工物を生み出し続ける存在でありながら、同時に自然物である──その象徴としての「人体」に、私は強く惹かれています。

超人工的世界を生きる私たちにとって重要なのは、「自然 vs 人工」という二項対立ではなく、各人がその狭間における自らの立ち位置を見定めることだと考えています。
その視点から、誰もが持つ「人体」という普遍的モチーフに対し、超現実的（surreal）かつ超写実的（hyperreal）なアプローチによる立体表現を試みています。